プレゼンティーイズムの簡便尺度SPQの開発.
TMuramatsu K, Nakao K, Ide H, Furui Y.
Testing the Construct Validity and Responsiveness of the Single-Item Presenteeism Question.
Journal of occupational and environmental medicine. 2021;63(4):e187-96.

健康投資の普及や人的資本経営の適用に伴い、取組の効果を測る指標が求められています。そこで、体調不良に伴う労働生産性損失に関するプレゼンティーイズムを簡便に測定できる尺度SPQ(the Single-Item Presenteeism Question, 東大一項目版)を新たに開発し、その構成概念妥当性 と反応性 があることを明らかにしました。これまで、プレゼンティーイズムを直接的に測定する代表的な尺度の一つに、the World Health Organization’s Health and Work Performance Questionnaire (HPQ)がありましたが、回答者にとって最高点と最低点を仮定する難しさと、その仮定がパフォーマンスの自己評価に影響することが指摘されていました。この研究ではそれを踏まえて、HPQの課題を解決し、回答者が1つの設問により、プレゼンティーイズムを測定できる尺度SPQの構成概念妥当性と反応性を検証しました。具体的には、岩手県との連携のもと、中小企業24社の従業員1,021名を対象に、SPQとHPQおよびプレゼンティーイズムの関連要因に関する設問で構成したアンケート調査を2回実施しました。SPQの測定値は、プレゼンティーイズムの関連因子と有意に相関し、構成概念妥当性が示されました。反応性に関しては、プレゼンティーイズムの関連因子が悪化すると期待通りに、SPQの測定値も悪化する傾向が確認されました。

SPQ(東大一項目版)の解説サイト:https://spq.ifi.u-tokyo.ac.jp/2反応性:質問が「変化」を敏感に検知できているかを示す指標。

構成概念妥当性:質問が評価しようとする理論的特性(構成概念)をどの程度評価しているかを示す指標。
反応性:質問が「変化」を敏感に検知できているかを示す指標。

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